翌朝

昨日は酒を飲んだ後で日記を書いた。

一度自分の文章がどんな風になるのかを見てみたかったのだ。

で、さっき読み返してみたのだが、意外とまともな文章を書いている。

前半少しばかり、文章の方向性に迷った跡もみられるが

後の方になると方向性が定まって、最終的にはまとまりのある文章になっていると思う。

時間が経つ間に酔いが醒めたのも関係しているのかもしれない。

ところで、この日記はまずテーマを定め、適当に書き始め、自分の考えが向かった先に着地点を求める、いわばパラグライダー(※)のような方法で書いている。

昨日の文章と記憶を照らし合わせて考えてみると、酔っているとどうも着地点が見えなくなるようだ。

どこをどういう風に飛んでいるのか、自分がどこから飛んできたのか

少し飛ぶたびに自分のいる位置を見失い、今思い返せば、まるで霧の中を飛んでいるかのようだった。

何回も自分が通った形跡を書き直し、書き直しきれなかった末に現れたのが、あの前半の迷いの部分だったという訳だ。

昨日の言葉を使えば、その紆余曲折があった部分もまた、人間味があって尊いといえるかもしれないが。

 

※パラグライダーは着地場がある場合が多いそうです。